知ってますか?ラクダのこぶの意外な秘密
砂漠の動物、ラクダ。長いまつ毛とパッチリな目がチャーミングなラクダは子供から大人まで人気の動物です。
あの独特なとぼけた顔もかわいいのですが、ラクダといえばやっぱり一番の特徴はこぶですよね。
背中の大きなこぶは、他の動物にはないラクダ独特の身体のパーツですが、実はかなり優秀な機能があることはご存知でしょうか。
しかも食用にもなるんです!
あまり知られていないラクダのこぶについて紹介します。
ラクダのこぶは脂肪
ラクダのこぶはいったい何なのか。
一言でいうと脂肪です。
「ラクダのこぶには水がつまっている」なんて話もよく聞きますが、それは迷信です。
あの大きなこぶはほとんどが脂肪の固まりなのです。
その量、なんと40~50キログラム!成人女性ひとり分くらいの量です。
ラクダのこぶを触ったことがありますか?
硬そうに見えますが、実はとっても柔らかいのです。この脂肪が砂漠で生きぬくための大切な役割をしています。
ラクダは、生きていくために必要な栄養を脂肪にかえて、こぶの中に蓄えています。
生まれたてのラクダにこぶはありません。
成長とともに脂肪を蓄え、こぶは少しずつ大きくなっていきます。
ラクダの生息地である砂漠は、動植物にとってとても厳しい環境です。
ラクダは草食動物ですが、植物が少ない砂漠では長い間食べ物を食べることができないこともあります。
そんな時は、背中のこぶの脂肪がエネルギーとして少しずつ使われて、こぶも小さくふにゃふにゃになっていくそうです。
また、脂肪には水素が含まれています。
脂肪が燃焼すると、エネルギーを作り出すと同時に、水も作り出せるのです。
ただ、それだけではラクダの大きな体を維持できないので、もちろん水分補給も必要です。
ラクダは1回の水分補給で、約80リットルの水を飲みます。
その水は血液中に吸収され蓄えられるのです。
ラクダが砂漠で長期間水を飲まなくても生きていけるのは、そんな秘訣があったのですね。
こぶは栄養を蓄えるだけではありません。
断熱材として機能し、ほとんど汗をかかないラクダの体温調節もしてくれます。
遮るものもない砂漠の直射日光は、とても厳しいものです。
こぶの脂肪は、皮下脂肪が背中に集中したような構造のため、直射日光が当たる背中からの熱が体に伝わるのを遮ってくれます。
ラクダのこぶは、厳しい環境に適応するための、すごい機能がたくさんあるのですね。
ラクダのこぶは美味しい……?
そんな優秀なラクダのこぶですが、なんと、食べることができるのです。
ラクダは、乾燥地帯で飼育される家畜のひとつです。
人や荷物を運ぶ運搬の役割が最もよく知られていますが、ラクダ乳やラクダ肉など食用としても飼育されます。
ラクダを食べるだなんて可哀そう……と感じますが、それは日本ではラクダが珍しい動物だから。
中東地域ではポピュラーなお肉です。
エジプトでは、食用肉の中でラクダ肉が一番安いそうですよ。
また、野生のラクダが繁殖しすぎたオーストラリアでは、駆除するためにステーキなどで食べられているそうです。
ラクダ肉は赤身でくせが少なく食べやすいお味だそうです。
一方、こぶは脂肪の固まりなので、調理してもとにかく脂っこく、お味はちょっと……日本人にはなかなか馴染みがない味のようです。
しかし、中国ではラクダのこぶは「駝峰」とよばれ、珍重される食材のひとつです。
中国三大美女のひとりの楊貴妃も好んで食べた、なんて話もあるそうです。
ラクダの肉やこぶのお味に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。日本のスーパーマーケットでは見かけませんが、通信販売で購入できるお店があるようです。
ラクダに会いにいこう!
ラクダのこぶに関してご紹介してきましたが、ちゃんとラクダのこぶを見たことはありますか?
ラクダと触れ合いたくなったら、実際に会いに行ってみるもの楽しいですね。
日本でもっともラクダが有名な地域といえば、鳥取砂丘ではないでしょうか。
ちなみに、ラクダは同じ側の前足と後ろ足を同時に動かすため、揺れやすく乗り物酔いしやすいそうなので、苦手な方はご注意を。
ラクダの背中に乗って、実際にこぶに触れると、よりラクダのことが好きになるかもしれませんね。
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