なぜ日本はブラジル産の鶏肉を輸入するのか?
スーパーのお肉売り場で鶏肉を見ると、安いものはブラジル産と書かれていることが多いです。
国産の鶏肉と比べると価格に差があり、ブラジル産を選んで買いたくなります。
しかしブラジルの鶏肉は危険だと判断し、アメリカや香港では輸入を取りやめたと聞きました。外国が危険と定めているブラジル産の鶏肉は、やはり買わない方が良いのでしょうか?
ブラジル産の鶏肉は食べない方がいい?
ブラジル産の鶏肉を「毒肉」と表現している人がいます。それは鶏を育てている段階で、抗生物質や成長ホルモンを過剰に投与しているからだとネットでも取り上げられています。
これらを過剰投与された食品を摂取すると、癌などの重い疾患にかかる可能性が高くなるとも書いてありました。そのように「毒」とまで言われているブラジル産の鶏肉は食べても大丈夫なのでしょうか?
現在日本では、カロリーベースにして60%ほどの食物を海外からの輸入に頼っています。
これらを日本の厚生労働省が定められた食品衛生法に基づき、輸入食品の安全性確保対策を行っています。輸入業者は事前に厚生労働省に相談し指導を受け、届出をします。
それに対し食品衛生法の規格基準に適合するものか調査・確認をしてから基準に満たされているもののみ輸入が許されます。
調査・確認ではモニタリング検査を行って、違反されていないかを厳重にチェックしています。
モニタリング検査の概要には抗生物質・合成抗菌剤・ホルモン剤などの残留動物用医薬品や、大腸菌・サルモネラ菌腸炎ビブリオ等の病原微生物など多岐にわたっています。
このような厳しい検査や調査で認められた食品のみが、日本に輸入されています。安全性の確認ができているものなのでブラジル産の鶏肉は食べない方がいいという事はありません。
全国に展開している大手のファミリーレストランやファストフード店でも、ブラジル産の鶏肉は取り扱われています。
しかしそれでもどうしても心配で食べたくないと言う人は、もちろん無理にブラジル産の鶏肉を食べる必要はありません。
そもそも何故日本は輸入するの?
日本では昔は中国などから鶏肉を輸入していましたが、現在はブラジルからの輸入に頼っています。その理由は鳥インフルエンザです。2004年に中国や東南アジアで鳥インフルエンザの強毒性が猛威を振るいました。
それ以降日本は、中国や東南アジアの国々から鶏肉を輸入することを止めました。
その代りにブラジルからの輸入を始めました。ブラジルの鳥の主要生産地には、鳥インフルエンザの伝播の原因の渡り鳥が渡来しません。
ブラジルはヨーロッパやアジアと違い、鳥インフルエンザが発症しないのです。これが日本がブラジルから鶏肉を輸入する、大きな理由になっています。
鳥インフルエンザイに罹った鶏肉を人間が食べても、人間にインフルエンザが感染したという報告はありません。
しかしウイルスが入る事で、他の動物たちに感染が広がります。
感染を繰り返すとウイルスは型が変わり、新種のウイルスが生まれることがあります。その結果人間に感染しやすい鳥インフルエンザのウイルスが生まれる可能性も否定できません。
鳥インフルエンザに感染した鶏肉を食べても人間に影響が無いからと言って、感染の可能性がある鶏肉を日本に輸入するわけにはいかないのです。
なぜあんなに安いの?
ブラジルからここ数年、鶏肉が大量に輸入される理由がわかりました。鳥インフルエンザに罹らないというのは日本からみたらとても大きな強みです。
しかしブラジルから輸入した鶏肉は、どうしてとても安いのか疑問に感じたことはありませんか?
スーパーの激安品などはブラジル産の鶏肉がほとんどです。
その理由は様々あるようですが、ブラジルは土地が広大で安いという事があげられます。
そして広大な土地で鳥のエサになる穀物が安くたくさん育てられます。
人件費も日本と比べて安くすむのでこれらを総合して、国産の鶏肉よりも低コストで育てられるので安い価格で売ることが出来ます。
遠いブラジルからの輸入なので輸送に時間がかかりますが、冷凍技術の発達によりそこには問題はありません。輸送のコストも安く済むそうです。
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