アトランティックサーモンが危険視される理由とは?
アトランティックサーモンは、大西洋からヨーロッパの川に上ってくる鮭で、「タイセイヨウサケ」とも呼ばれています。
日本の河川に遡上してくる鮭はこれに対して「タイヘイヨウサケ」と呼ぶこともあるようです。
最近、このアトランティックサーモンについて、危険視する声があがっていると言います。
どんな問題で危険だと言われているのでしょうか。
アトランティックサーモンは・・・
アトランティックサーモンはヨーロッパの川に遡上する、これは本当なのですが、実際のところ天然のアトランティックサーモンの水揚げは極めて少ないのが実状のようです。
なので、気軽にちょいと買える代物ではないのですが、お店でも「アトランティックサーモン」というラベルをつけて販売されています。
じつは通常流通しているのは養殖のサーモンです。今は養殖技術が進んでおり、アトランティックサーモンも季節を問わず必要量を出荷できるようになりました。
ヨーロッパでも政府をあげての取り組みでこのような体制が作られ、今は流通しているアトランティックサーモンはほぼ養殖モノと言われています。
ノルウェーから輸入されるものが多いようですね。近年はオーストラリアやアメリカ大陸の方でも養殖が始まっているようです。
養殖ならではの安心
天然の魚やいかなどによく寄生してしまう、アニサキスなどの寄生虫。
アニサキス症という腹痛や嘔吐などを引き起こす原因として知られています。最近はスーパーの鮮魚売り場などでも「しっかり火を通してからお召し上がりください」とアニサキスの注意が書かれています。
日本人は生食で魚を食べることがありますので、やはり心配ですよね。アトランティックサーモンは養殖ということで、アニサキスが寄生している危険も非常に少なく、生食するのに安心です。
養殖にもいい点があり。危険どころか安全じゃない!と言いたいところなのですが・・・。
じゃあ、なんで危険なの?
ノルウェーの医師が、「特に子供や妊婦さんはアトランティックサーモンを控えたほうがよい」と言っているそうです。ノルウェーからたくさん輸入しているのに・・・。
2003年以降、様々な研究機関が研究を行った結果、養殖サーモンには基準値以上のPCBやダイオキシンなどの有害物質が含まれているという発表がありました。
有害物質とは穏やかではありません。筆頭に挙げられる有害物質がダイオキシン。たくさん食べると発がんリスクが高まるとか、ダイオキシン類の毒素は、自閉症や神経疾患、脳委縮を誘発し、人体に多大な悪影響を与える可能性を秘めているという話もあり、養殖魚は年に3回までにした方が良いということも発表されたようです。
これらの研究は世界の名だたる大学や研究所で行われているようで、信ぴょう性は高いかもしれません。
原因は餌に問題があるということで、餌の面でも研究が行われ、改善に向けての研究も行われているそうです。
ですが今の時点では「食べていいのは年に3回」と言われる有害物質を餌から摂取している魚たち。
一説には餌に薬品が含まれていて、それが原因だという話もあります。養殖魚は餌しか食べる物がないので、どんどん摂取してしまいます。
そのほかにも、遺伝子組み換えなどの話もあります。「マスノスケ」いわゆるキングサーモンの成長促進の遺伝子をアトランティックサーモンへ・・・養殖技術が確立されているアトランティックサーモンだからできることなのでしょう。
早く成長することで生産量も上がるし、すごい研究だとは思います。でも、安全性はどうなのか・・・大豆などでも今現在は一応決まりとして「遺伝子組み換えを含む」「遺伝子組み換えは含まない」などといちいち生産業者がラベルに記載しているほどのことです。
遺伝子組み換えの動物を食べるということ、よく考えるとちょっと抵抗感が否めないと思うのは私だけかもしれませんが・・・。
現時点でアトランティックサーモンはほぼ養殖が流通しています。天然ものが見込めない以上、養殖に頼らざるを得ない状況ですので、ダイオキシンなどの問題が早く改善されて、安心安全な養殖魚が店頭に並ぶといいですね。
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