アガベシロップって危険?
糖尿病や肥満傾向で注目していらっしゃるという方の多いアガベシロップ。植物由来の甘味料で、お砂糖や蜂蜜のかわりに使用するとGI値も低くヘルシーということです。
しかし、このアガベシロップが危険だという話もあります。便利なヘルシー素材、どんな危険があるのか知っておきたいところです。
GI値って?
糖尿病やその予備軍の方はご存知かもしれませんね。GI値とは、食べたものが体内で糖になって吸収されたとき、血糖値が上昇するスピードを数値化したものです。ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇率を100として、その食品がどのくらいのスピードで血糖値を上げてしまうのか、ということなのです。
血糖値が急激に上がるとインシュリンがすい臓から分泌されます。
このインシュリンが血糖値を下げる働きをしてくれますが、糖尿病でインシュリンの分泌が間にあわない方などが注射やお薬でインシュリンを入れて血糖値を下げることになります。
インシュリンが間にあわないほど血糖値を上げてしまうことなく、でも甘いものも食べたい、そういうときに見ておくのがGI値。
アガベシロップはGI値が21。ちなみにグラニュー糖はGI値60前後だそうです。
アガベシロップのGI値が低いわけ
アガベシロップは、テキーラの原料と同じ竜舌蘭という植物から作られた甘味料です。果糖(フルクトース)が多く、果糖は砂糖などに比べて血糖値の上昇がゆるやかで、この観点からダイエットにも効果的、糖尿病の人たちにも支持を集めているのかもしれません。
しかも味にもクセがなくてけっこう甘い。夢のような甘味料です。これは使わない手はない!と思った方、少し待ってください。アガベシロップ、いいことばかりじゃないようですよ。
フルクトースの落とし穴
適切な使い方をすれば、きっと効果絶大なアガベシロップ。しかし、いくら血糖値の上昇がゆるやかだからといって、たくさん使うのもよくないのだそうです。
血液に吸収されなかった果糖(フルクトース)はどこへ行くのか。これは残念ながらダイレクトに肝臓で吸収されます。
血糖値が上がらないだけで、肝臓でしっかりキャッチされているのです。
だから、普段のお料理に使うお砂糖の分などを今日はアガベシロップに・・・くらいならいいかもしれませんが、なんにでもアガベシロップ、というのは、今度は肝臓が太っちゃいそうです。
肝臓にも負担がかかってしまいますので、気を付けなければいけませんね。そしてフルクトースは、「AGEs(終末糖化産物)」を、ブドウ糖の10倍発生させるのだとか。
この「AGEs」は、細胞にダメージを与えて、糖尿の合併症を引き起こしたり、高血圧、認知症、ガン、動脈硬化などを招く原因になったりと、少々怖いものなのです。なので、本当に使いすぎてはいけません。
実際、アメリカで糖尿病患者を対象にアガベシロップの安全性を調べていたときにも体調の変化がみられたため、途中で打ち切りになっているようです。
やはり、夢のような甘味料ではなかったようです。少量を使う分には決して悪いものではありませんが、このアガベシロップは実は作る人によって品質が異なることが多いようで、「アガベシロップ」とうたっているにもかかわらず実は砂糖で甘さを強調しているといった商品もあるのだとか。
あまり甘味料にばかり頼らず、低糖をいつも心がけて食事をしたほうが、効率がいいような気もします。
特に糖尿病で食事の指導を受けている場合などは、自分の判断だけで甘味料を置き換えたりせずに、きちんと医師の指示に従ってください。
少し使う分には、本当に甘いし血糖値の上昇もゆるやかになるため、ダイエット目的であれば大丈夫な気もしますが、くれぐれも使いすぎないように。
おいしいものは、適量を守っておいしくいただく。これが一番体にいいようです。
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