雷魚に寄生虫?雷魚の本当の恐ろしさって?!
釣り好きな方や、観賞魚の愛好家には密かな人気になっている『雷魚』。
朝鮮から移入された、タイワンドジョウ科の淡水魚。
「ドジョウ」という名はついているが、コイ目ドジョウ科に分類されるドジョウとは全く異なるものです。
細長い体をヘビに似た頭部から英語ででは、【SnakeHead】(スネークヘッド)と総称され、一部の魚愛好家には雷魚ではなく、こちらの名前で呼ばれています。
日本では自然分布していないので、貴重でなかなか、お目にかかることも少ないかもしれないですが、アジアの方ではごく普通にお店に並ぶこともあるそうです。
では、【雷魚】について、もっと詳しくご紹介していきましょう!
●雷魚ってどんな魚?
体は前後に細長く円筒形をしています。
口が大きく、下アゴが上アゴよりも前に突き出て、鋭い歯が並ぶ姿は恐ろしさを想像させます。
また口の中へ手を入れると、噛みつかれて出血するほどなので、漁獲などで雷魚の生体の取り扱いには十分注意が必要となります。
空気呼吸が出来るのも、最大の特徴!
水面に口を出して空気を吸い込み、気管に送り込んで酸素を直接接種できます。
水流がない緩やかでハスなどの水生植物が生い茂った水域を好みます。
湖・沼・池・河川の中下流域などに多く生息しています。
朝や夕方の薄暗い時間帯や、水が濁っているときなどに、主に活発に活動しています。
●餌はどんなのを食べているの?
ウナギやフナなどを食べる魚食性。
甲殻類・昆虫・カエルや時には、水鳥のヒナ・ネズミなどの小動物も幅広く食します。
水底にじっと潜み、水中や水面に通りかかる獲物に飛びかかり、餌を狙います。
●雷魚って食べれるの?
見た目は、ものすごく迫力のある姿をしていますが、実は食べると美味しいらしいのです。
中国・台湾・東南アジアでは常食のひとつで、定番は塩焼きにしてタイの屋台によく並んでいます。
塩焼きと言っても、振るのではなく雷魚に塩をそのまま被せるぐらいの量で、焼かれています。
着せるといった感じでしょうか・・・。
口から串を刺し、ヨモギのような草を束にしてから口からたっぷりと詰めます。
レモングラスやパクチー、ニンニクなどのスパイスをプラスするお店もあるそうで、いろいろな雷魚が楽しめるようです。
●食べる際に、注意することって?!
雷魚は東南アジアの方では、一般的に食すと上記でご紹介しましたが、そこで気をつけなければならいのが、「寄生虫」です。雷魚には特有の寄生虫【顎口虫(がっこうちゅう)】が寄生している場合が多いからです。
顎口虫が寄生していると、その魚はかなりの確率で、死に至ります。
顎口虫は雷魚の体内のいたるところに寄生し、雷魚自体にも影響を及ぼします。
腹部を食いやられたり、神経を食い裂かれ、麻痺をさせてしまいます。
失明や脳にまで入り込んでしまうことも。
脳に入り込むと、異常行動を起こすようになり、クルクル回りながら泳ぎ疲れてしまい、結果かなりの確率で死に至る原因はこれです。
実はこの顎口虫、生で食すと人間にも寄生するんです!!
そうした場合、神経を食い破ったり、眼球の中へ入り込み失明させたりと大変恐ろしい寄生虫なんです。
雷魚の他に、ブラックバスなどにも寄生するとされ、中には実際に食べてしまい「日本顎口虫(がっこうちゅう)症」を発症した報告もあるそう。
3週間ほどして腹部に幅2、3mmの数本のミミズばれができ、最長で約40cmほどになった。駆虫剤を飲ませ、症状は約2カ月後に治まったようですが・・・。
日本顎口虫は皮膚の下などを移動し、引っ掻いたような皮膚の炎症を起こす。重症化するケースはないといわれています。
常食とされている地域でも、「絶対に生で食べないで」と、注意を呼びかけています。
よく、海外ロケで「ゲテモノ料理食べよ~!」なんていう、テレビ番組がありますが、面白がってやるものではないですよね。
面白さを求めるあまり、安全面に配慮していてもやる方は、たまったもんじゃありませんよね。
みなさんも、海外に行く際は食べ物にはお気をつけください!!
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