めばちこって何?どこの方言?
「めばちこ」というものを聞いたことあるでしょうか?
「何それ?」と思う関東地方の方もいれば、関西地方の方は「あ~、めばちこね。」という反応になるのではないでしょうか。
めばちこは特に大阪で使われている言葉で、関東では「ものもらい」と呼ばれています。
つまりは、まぶたが赤く腫れている状態のことを言います。今回は、めばちこについてお話していきたいと思います。
めばちことは?
めばちこは、ものもらいという名が正式名称ではありません。
めばちこもものもらいも呼び名であって、本当は2種類の正式名称があります。
それが「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」です。
麦粒腫とは、まぶたにあるマイボーム腺やまつげの根元が化膿により炎症を起こしたものです。
この炎症により痛みやかゆみを伴い、まぶたが赤く腫れます。
炎症のもとは主に黄色ブドウ球菌による感染です。
黄色ブドウ球菌は健康な人の体内にも存在している常在菌と呼ばれる仲間ですので、誰もがめばちこになる可能性があります。
清潔にしていないと細菌の数が多くなり、少ない時に比べて感染が起こりやすくなります。
例えばコンタクトレンズを使用している方は目が汚れやすくなりますので、目のケアを怠ると細菌が入りやすくなります。
他にも、手洗いを習慣化しいないと、汚れた手で目をこすってしまい感染しやすくなります。
女性の場合はアイラインやアイシャドウの目周りのメイクにより、細菌が付きやすくなります。
しっかりとメイクを落として眠ることが大切です。
一方、霰粒腫はまつげの生え際にある目を保護する「マイボーム腺」という器官が原因となります。
このマイボーム腺は普段脂を分泌しておりますが、この脂肪が開口で詰まることで炎症を起こし、めばちこが出来ます。
この脂が詰まる理由というのが解明されていませんので、知らぬうちに出来ているという事があります。
一般的には放置していれば自然に治癒すると言われています。
ただ、霰粒腫は脂がたまることで発症するので、脂分を外に出すセルフマッサージを行うことは効果的です。
自然現象と自然治癒が一般的な霰粒腫も、麦粒腫の予防と同じように目を清潔にしていることに越したことはないです。
以上のとおり、麦粒腫は細菌によって起こるもので、霰粒腫は自然と起こるものと言ったら良いでしょう。
めばちこと呼ぶ地方
ここで「めばちこ」という呼び名をしている地方についてお話したいと思います。
めばちこは主に関西地方での呼び名です。特に大阪では90%以上の方がめばちこと呼んでいます。
他には奈良や和歌山でも大半が呼んでいます。
しかし、京都では「めいぼ」と呼ばれており、三重では「めぼ」とか「めんぼ」と呼ばれています。
関西地方といっても、主に大阪とその周辺であると言うことですね。
関東では「ものもらい」と呼ばれているのが一般的ですが、東北地方ではどうかというと一部の地方では「ばか」と呼ばれているそうです。何とも可哀想な呼び名ですね。
また、九州では「おひめさん」と呼ばれているそうです。可愛らしいですね。
しかし「ばか」も「おひめさん」も、自分から遠ざけたい対象という意味が込められているそうです。
このように、めばちこは様々な呼び名が地方によってありますが、どこでも厄介なものとして扱われているに違いないですね。
めばちこという名の由来
めばちこという言葉は、大阪では高年層から若年層まで世代問わず使用されています。語源については、「目がバチーンとなる」ことから由来しているという説が有力だそうです。
他にも「目(メ)+ハチ(こじき)+コ(接尾辞)」に由来すると言われていたり、「目をパチパチさせる」ことからきているという説もあります。
このように、はっきりした由来はわかっていませんので、明確なことは言えません。
同じ近畿地方の京都や滋賀では、「めいぼ」と呼ぶことが多いと調査されています。
こちらは「目のいぼ」が語源となっているそうです。
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