まぶたのしこりは実は怖い!?
あなたのまぶたには、しこりができていませんか?
痛くもかゆくもないし……と放っておいている人もいるかもしれませんが、ちょっと待って!
もしかしたら、そのしこりはまぶたの病気かもしれません。
まぶたにしこりができる病気「霰粒腫」をご紹介します。
まぶたの病気 霰粒腫
まぶたの裏側が腫れ、しこりができる病気を霰粒腫(さんりゅうしゅ)といいます。
典型例では、まぶたにコロコロしたしこりが確認できますが痛さやかゆみなどはありません。
ゴロゴロとした違和感を感じたり、まぶたが腫れたりという症状があります。
放置すると次第に大きくなっていき、しこりがまぶたの皮膚側や内側に破れて内容物が出る場合もあります。
炎症をともなった腫れや痛みがある場合は、急性霰粒腫とよびます。
しこりができる原因
目にゴロゴロとした違和感があると気になってしょうがないですよね。
では、なぜまぶたにしこりができるのでしょうか。
しこりができる原因は、涙の中に含まれる脂成分の分泌がうまくできなくなることにあります。
涙の成分は、水分、粘液、脂成分の3つに分けられます。
脂成分は、涙の中でも一番表層部分にあって、眼球を潤す涙が蒸発するのを防ぎ、また眼球運動の潤滑剤の役割をしています。
涙は悲しいときに流れるだけではなく、常に眼球を潤し守ってくれているのですね。
脂成分はマイボーム腺という、まつ毛の生え際近くに上下それぞれ20個ほどある開口部から分泌されます。
このマイボーム腺からの分泌が何らかの原因で上手くできなくなると、脂成分が行き場をなくし、霰粒腫ができるきっかけとなるのです。
たまった脂成分が周りの組織を押し広げ炎症がおこり、肉芽腫という塊ができてまぶたが腫れた状態が霰粒腫です。
通常、脂成分は液状ですが、栄養状態やホルモンバランスが悪くなると脂成分の性状がグリース状に変化することが、マイボーム腺からの分泌が滞る原因となります。
他にもマイボーム腺の開口部付近に炎症がおこって出口が塞がってしまう場合や、不規則な生活やストレスで目に疲れがたまっていることなども原因のひとつです。
治療方法
霰粒腫ができてしまったらどのように治療するのでしょうか。
しこりが小さければ自然に吸収されることもありますが、大きい場合は原則手術です。
局部麻酔をして、まぶたを切開して摘出します。炎症をともなう場合は、術前に抗生物質などで消炎が必要です。
手術を避けたい場合は、ステロイド薬をしこりに注射する治療もありますが、これでも治らない場合はやはり手術が必要です。
小さな子どもの場合は、手術の時に全身麻酔が必要となるため、点眼などによる治療にとどめ、自然治癒を待つことが多いようです。
予防方法
症状自体は痛みがなくても、手術が必要となるとちょっと怖いですね。
霰粒腫にならないように予防するにはどうしたらよいのでしょうか。
まずは目の周りを清潔に保つことが大切です。
まつ毛の生え際近くにマイボーム腺はあります。
そもそもまつ毛は、目にゴミやホコリなどの異物が入らないように保護する役割があるため、まつ毛の生え際は雑菌がたまりやすい場所です。
不潔な手指やタオルなどで目をこすると、そこから汚れや細菌が入り込んでしまいます。
特に、スポーツで汗をかいた後は、手洗いと一緒に顔や目の周りも水で洗うと良いでしょう。
女性の場合は、アイメイクに注意が必要です。
最近は、つけまつ毛をつけたり、目の際ギリギリや粘膜の部分にまでアイラインをひいて目を一段と大きく見せる盛り系メイクが流行っていますが、実はとってもキケンです!
つけまつ毛ののりやアイライン、マスカラがマイボーム腺をふさいでしまうことがあります。
目を傷つけてしまうメイクは止め、メイク後はメイク落としでしっかりと落としましょう。
栄養のバランスがとれた食生活を送り、充分な睡眠をとることも大切です。
目に疲れをためないように心がけましょう。
お風呂で湯船につかりまぶたを優しくマッサージすると、リラックスもできますし、まぶたの血行がよくなりマイボーム腺の詰まりを防ぎます。
まぶたの温湿布も効果的です。
暖かいタオルをまぶたの上にのせ、5~10分まぶたを暖めましょう。
ものもらい
ちなみに、よく似た症状の病気に、「麦粒腫」があります。
まぶたにある腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症です。
実はこれ、「ものもらい」のことです。
霰粒腫・麦粒腫を総称して「ものもらい」と呼ぶこともあるようです。
ものもらいといえば、地方によって呼び名が異なることで有名ですね。
関東方面では「ものもらい」、大阪では「めばちこ」、北海道では「めっぱ」など、さまざまな呼び方をされています。
その呼び名から勘違いされやすいのですが、霰粒腫・麦粒腫は原因がウイルスではなく雑菌のため人にはうつりません。
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まとめ
しこりは放っておくと破裂する場合もあるので、小さなしこりでも早めにお医者さんを受診しましょう。
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